2022年11月30日水曜日

映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』(2022年)

スリラー映画。監督はオリヴィア・ワイルド。『ブックスマート』に続いて2作目。出演もしている。主演はフローレンス・ピュー。2022年11月にて初観覧。

砂漠の中にある人工的で奇妙な街で暮らすある夫婦の物語。

外で働く夫の為に妻は、昼間は家事に勤しみ、バレエのレッスンをこなし、夫が帰宅してからは彼を癒すことに全力を注ぐ。そんな家庭が集まった街。時代遅れの世界観に違和感を覚えたが、主人公のアリスが少しずつその街の異様さに気づき始めて、その街のリーダーや夫を問い詰め、自由を求めて爆走する姿に魅せられた。アリスを演じたフローレンス・ピューが妖艶で綺麗で可愛らしくて凛々しい。

その夫を演じたのはハリー・スタイルズ。英国訛りだな、とか、どっかで見たことある顔だな、と感じた。調べてみたら、ヴォーカル・グループ、ワン・ダイレクションのメンバーだった。映画デビューは、2017年公開のクリストファー・ノーラン監督作『ダンケルク』。役者としてはまだ新人さん。道理でほかの俳優さんとは違う独特の雰囲気を醸し出していた訳だ、と納得。因みに、監督のワイルドと本作公開前から交際しているらしい。下世話な話だが、恋人の彼女に演技指導されたり、彼女の前でフローレンス・ピューといちゃつくのはやりにくかったのではなかろうか。

男社会の恩恵を受けてきたオジサンたちにはバツの悪い、男社会に辟易している女性には感情移入しやすいであろう、芸術的で洗練された作品。そして、フローレンス・ピューの素敵な演技を終始拝める眼福な2時間でもある。

2022年10月28日金曜日

映画『ブレット・トレイン』(2022年)

アクション・コメディ映画。デヴィッド・リーチ監督作。ブラッド・ピット主演。真田広之出演。原作は伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』。2022年にIMAXで初観覧。

東京発京都行きの新幹線に乗り込んでブリーフケースを盗むよう指示された殺し屋レディバグがその任務遂行のために奮闘するお話。

含蓄がありそうなセリフが多々あったが、今後の人生の糧になるような言葉では無いような気がして、大方、聞き流した。何も考えずに目の前で繰り広げられるアクションを楽しむ作品。最後までアクシデントの間が絶妙で面白かった。

レディバグを演じたお茶目なブラッド・ピット。話し方だけでなくアクションも他の作品同様カッコよかった。そして、レディバグが盗むブリーフケースの持ち主だった二人組のギャングのうちの一人、レモンが、『きかんしゃトーマス』の大ファンで常にそのアニメ番組を通して物事を考える様が愉快だった。何か一つの事に熱中できず、何事にも浅い知識しかない私にとっては、羨ましくもあった。

そのほかの登場人物で強く印象に残ったのは、やはり、日本人俳優である、真田広之。『座頭市』へのオマージュなのか、仕込み刀での殺陣がカッコよかった。お笑いコンビ「かまいたち」の一人山内健司似のマシ・オカも車掌として出演。2006年から放送されていたTVドラマ『HEROES』にレギュラー出演していた為、米国では有名な日本人の一人らしい。そのドラマシリーズで、もともとは「バンザイ」だった彼の決め台詞をアドリブで「ヤッター」と叫んで、その後、それを定着させた、と聞いた時、米国での日本のイメージってまだまだ古いんだなと感じた。真田広之も、2003年公開のトム・クルーズ主演映画『ラストサムライ』ではアメリカ側のスタッフに日本文化について熱心に進言していたらしい。洋画で少しずつ不自然な日本の描写が減ってきているのも、ある程度は、彼らのような世界で活躍している日本人俳優のおかげなのだろう。

そして、ずっと声だけの出演だったが、最後に少しだけ登場したサンドラ・ブロック。2022年6月に観覧した『ザ・ロストシティ』にもブラピと共演していたが、幾つになってもお綺麗なお方だ。

殺す気満々の格闘、銃撃、剣戟の連続だったので流血シーンも多々あったが、展開がスピーディだったので悲壮感はほとんど無く、ただただ楽しかった。アクション映画の良作。

2022年9月22日木曜日

映画『ブラック・フォン』(2022年)

スリラー映画。2022年公開。スコット・デリクソン監督作。ジョー・ヒル著のホラー小説『黒電話』が原作。メイソン・テムズ主演。イーサン・ホーク出演。2022年7月に初観覧。

奇妙な男に監禁された内気な少年フィニーが、その男との戦いを通して逞しく成長するお話。

フィニーがいじめられっ子で幽霊も出てくるので、スティーヴン・キング作品の『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』や『アトランティスのこころ』みたいだなと思っていたら、原作者のヒルは彼の息子だった。血は争えないな。ただ、野球チームの好投手にもかかわらずフィニーがいじめっ子たちに虐められている事に若干の違和感を覚えた。原作の小説には、フィニーは喧嘩が嫌い、のようなもう少し分かりやすい状況説明があるのだろうか。

そして、フィニーを演じていたメイソン・テムズが、2020年9月に観覧した『mid90s』の主演子役に似ていたので、勝手に同じ子役俳優だと思っていたが、観覧後、そうではないことを知り、苦笑い。未だ外国人は見分けがつかない。

おまけに、最近は見慣れない日本の若い俳優も見分けがつかなくなり始めた。それは、私が年を取ったという証拠なんだろうな。

そのフィニーが、監禁後、友人たちに励まされて徐々に逞しくなって、覚悟を決めてその謎の男と対決する。そんな彼と彼を心配する妹の姿が微笑ましかった。そして、カタルシスも感じられた終盤の展開が鮮やかで面白かった。

主演と思っていたイーサン・ホークは助演だった。しかも、ずっと変なお面をかぶっていた。スクリーンで彼を見るのが初めてだったこともあり、その点には失望した。彼があの役を演じる意味があったのだろうかとさえ感じた。

ホラー要素もあったので数回ビビったが、全体的にはさほど怖くはなかった。一人の少年の微笑ましい成長譚。メイソン・テムズが素晴らしい。

2022年9月2日金曜日

映画『エルヴィス』(2022年)

エルヴィス・プレスリーの伝記映画。2022年公開。バズ・ラーマン監督作。オースティン・バトラーとトム・ハンクスのダブル主演。2022年7月初観覧。

ロックの神様、エルヴィス・プレスリーの生い立ちから晩年までが、彼のマネージャー、パーカー大佐の視点で描かれている。

私の好きな洋楽はイギリスの「ビートルズ」や「ローリング・ストーンズ」から。彼らのデビュー前からアメリカに存在していた、黒人ミュージシャンが楽曲を発表していたレコードレーベル、モータウンやエルヴィス・プレスリーの存在は何となく知っていたし、エルヴィスのデビュー当時のアメリカにおける人種差別の酷さも、映画『マルコムX』で知っていたつもりになっていた。

しかし、本作で描かれていた当時のアメリカ社会の現実は私の認識を少し超えていた。特に、白人は黒人に迎合してはいけないとむきになって主張する保守的な白人たちには驚かされた。そんな彼らを無視して白人として黒人の音楽を踊りながら歌い続けるエルヴィス。そして、そんな偏見に満ちた社会で抑圧されてきたせいか、彼の鋭い足腰の動きに熱狂する若い白人女性たち。

現代から見るとまるでコントだ。

そんなエルヴィスにも試練が訪れる。人気テレビ番組出演時に、保守的な白人たちからひんしゅくを買わないよう燕尾服を着させられ、踊りを禁じられてしまう。自分らしさを表現できないことに苦悩するエルヴィスだったが、その後、旧友でアフリカ系ミュージシャン、B.B. キングに励まされ、あるコンサートで一大決心をし、保守的な白人のおじ様たちを激怒させる、そして、若い白人女性たちが熱狂する、本来の彼の鋭い踊りを披露。その直後、これもコントみたいだが、エルヴィスは逮捕された挙句に徴兵されてしまう。

余談だが、その10数年後に「ローリング・ストーンズ」もアメリカの国民的人気番組『エド・サリバンショー』で「夜をぶっとばせ」を歌う時にその歌詞の "the night" をわいせつであるという理由で "some time" と歌うように強制されたが、当時のストーンズのミックとキースは、その事が話題になってレコードが売れると喜んでいたとか。

ストーンズやビートルズがデビュー後に快進撃を続けられたのは、ロックンロールのパイオニアであるエルヴィスの苦悩や犠牲のおかげとも言えるだろう。まさにエルヴィスは「ロックの神様」の称号にふさわしい人物だ。

エルヴィスを、アメリカ、そして、世界のスーパースターに導いたマネージャー、パーカー大佐の功績は大きい。だが、薬漬けにしてまでエルヴィスを歌わせ続けて、自分は大好きなギャンブルに精を出していた彼は、決して善人ではない。そんな彼が、本作では興味深い人間として描かれている点は嫌いだ。そして、大佐の視点ではなく、エルヴィスの父親、もしくは、エルヴィス本人の視点で物語を描いてほしかった。

終盤のエルヴィスの姿が痛々しかったので、観覧後の数日間は気分が重かった。それだけ、エルヴィスの苦悩を見事に演じ切ったオースティン・バトラーとパーカーの狡猾さを絶妙に表出したトム・ハンクスが素晴らしかったという事だろう。パーカー大佐の描かれ方には不満があるが、エルヴィス・プレスリーの伝記映画としては良作だ。

2022年8月10日水曜日

映画『アクトレス~女たちの舞台~』(2014年)

2022年7月、『アクトレス~女たちの舞台~』をテレビ画面にて初観賞した。2014年公開のドラマ映画。主演はジュリエット・ビノシュ。クリステン・スチュワートとクロエ・グレース・モレッツ出演。

20数年前に娘役を演じたある舞台劇の再演で、その娘の母親役を演じる事になった大物ベテラン俳優マリアが、彼女の若いマネージャーのバレンティンとともにその役作りに励み、その娘役を演じるお騒がせな新進気鋭の俳優ジョアンと共演するお話。

役作りをしているマリアに対して物おじせずに自分の意見をはっきり言う、若いクリステンを演じたスチュワート・ヴァレンティンの鋭い演技は、リアルでとても素晴らしかった。二人の役柄への考え方の相違はジェネレーション・ギャップとも言えたが、その言い争いを通してそれぞれの立場が二転三転する様もとてもリアルで、主役を任され続ける俳優さんは、皆、ここまで真摯に役柄と向き合っているのかな。ただ単に撮影前にセリフを丸暗記してリハーサルで監督の意図を確認して本番でのみ真剣に演技するだけの役者は、ずば抜けた演技の才能が無い限り、淘汰されるのだろうな。役者の世界って本当に大変だな。

マリアを演じた主演のジュリエット・ビノシュを初めて観た作品は『存在の耐えられない軽さ』。それまで大抵の西洋人の女性は皆大人びて見えていたので、『パルプ・フィクション』でブルース・ウィリスが演じたボクサーの若い恋人役だったマリア・デ・メディロス、そして、『レインマン』でトム・クルーズが演じた自動車ディーラーのパートナー役だったヴァレリア・ゴリノを見た時と同様に、童顔の彼女の可愛らしさに少し驚いた。だが、よく考えてみると、サリー・フィールド、ダイアン・キートン、そして、キャメロン・ディアスも童顔だし、最近だと、キャリー・マリガンやアナデ・アル・マスもそうだ。童顔美女は日本人女性というイメージを単純に持っていたが、それは私の偏見だった。その後、ジョニー・デップも出演している『ショコラ』で観た彼女は、可愛らしさに加えて大人の落ち着きもあって、いい年の取り方をしているなと思った。本作でも相変わらず可愛らしさを保っていらっしゃり、相変わらず魅力的だ。

暴言を吐いたり不倫したりする生意気でお騒がせな若手俳優役のクロエ・グレース・モレッツもまた素晴らしい。

若い二人の俳優はそれぞれ魅力的で存在感もあったが、結局、本作で最も魅せられたのは様々な表情を見せてくれたジュリエット・ビノシェだった。

2022年7月29日金曜日

映画『早熟のアイオワ』(2008年)

2022年7月、『早熟のアイオワ』をTV画面にて初観賞した。2008年公開のドラマ映画。日本公開は2014年。監督および脚本はロリ・ペティ。ペティの少女時代の体験を基にした物語。ジェニファー・ローレンス主演。クロエ・グレース・モレッツ出演。

家族に暴力をふるう父親と別れる事は出来たが、その後、売春宿で売春婦の母と一緒に暮らすことになった3姉妹の、特に、長女アグネスの過酷な一日が描かれている。

私の父は、常日頃から家族を腕力で威嚇して機嫌が悪い時は平気で暴力を振るう人だった。だから、私は自分を不幸だとずっと思っていた。だが、高校時代の友人の父親も似たような人間であった事を知ったり、実家を出て一人暮らしを始めてから出会った様々な方から色々な話を聞いたり、マスコミが報道する幼児虐待の実態を見聞きして、自分より不幸な子供たちが大勢いる事を徐々に知った。そして、本作の3姉妹の長女アグネス。彼女が思春期真っただ中の年頃だった事を考えると、あの暴行事件の被害者になっただけでなく、その直後に母親から慰められる事も無く、逆に冷たくあしらわれたのは本当に哀しい話だ。それでも、その後も堕落する事無く成長した彼女は素晴らしい人間だ。

こういう実話が公になるのは良い事だと思う。自分の子供を愛せない親は確実に存在している。全ての親が彼らの子供たちを心から愛していると盲目的に信じる事は危険だ。その間違った認識のせいで言いたい事を言えない子供たちが大勢いるのが現実。

ジェニファー・ローレンスがアグネスを熱演。監督のペティの少女時代の体験に基づいて作られたその役を見事に演じ切っていた。アグネスの母親サラに関しては、体を売るしかない状況で酒や薬にも溺れていた為、娘たちを深く愛することが出来なかった事への多少の同情の余地はあるものの、人間の本質が露出するのはギリギリの状況の時である事を思うと、残念なお方だ。

正直に言うと、クロエ・グレース・モレッツ見たさで観賞した本作。この2年後に公開された『キック・アス』でのミンディおよびヒットガールを演じた彼女は可愛らしくて最高だった。本作でも、特に、車の中でロックミュージックに合わせて頭を前後に振っているシーンはとても可愛らしかった。だが、本作ではまだ子供だったし、ローレンスの魅力や存在感の方が圧倒的だった。

2022年7月18日月曜日

映画『ブルージャスミン』(2013年)

2022年7月、『ブルージャスミン』をTVにて初観賞。2013年公開のドラマ映画。ウディ・アレン監督作。主演はケイト・ブランシェット。

金持ちの夫のおかげで贅沢な生活をし続けていた、綺麗なだけが取り柄のジャスミンが、夫の逮捕で財産を失った後も何の根拠も無く自分を特別な女と思い込んだまま迷走し続けるお話。

観賞中、あなたとは安っぽい店では飲みたくないの、と言って、毎回、自分好みの比較的高価でおしゃれなお店に行くことを強要してきた女性との嫌な思い出が蘇って気分が悪くなった。綺麗ではあったが、自己中で贅沢好きで話題に乏しかった彼女は、嘘つきな勘違い女ジャスミンにとてもよく似ていた。

クールで知的なイメージを持つケイト・ブランシェットが、そんな中身が空っぽなジャスミンを絶妙に演じ切っていて、本作でアカデミー賞主演女優賞を獲得している。演技の幅が広い素晴らしい俳優さんだ。

『リプリー』や『ギフト』ではそれほど印象に残らなかったブランシェット。その後、『シンデレラ』での意地悪だがどこか魅力的な継母役で興味が湧いて、『オーシャンズ8』でのカッコよさにシビれて好きになった。公開時に観覧した『ナイトメア・アリー』で見せた悪魔の形相にも魅せられた。ルーニー・マーラと共演した『キャロル』での気品が漂う淑女役も素敵だった。

そして、アレンの演出で彼女がどんな風に躍動するのか観たかった本作。ウディ・アレンの作品であることを忘れさせる程、彼女の演技は圧倒的で素晴らしかった。出世作『エリザベス』はまだ観ていない。彼女のファンだと公言したかったら、観るべきだな。

2022年7月6日水曜日

映画『キャリー』(2013年)

2022年6月、『キャリー』をTV画面にて初観賞。2013年公開のホラー映画。1976年公開の同名映画のリメイク作。原作は1974年に発表されたスティーブン・キングの同名小説。主演はクロエ・グレース・モレッツ。

超能力を持っているものの、日頃から同級生に冷たくあしらわれている内気な少女キャリーが、ひどいいじめを受けた後、ため込んでいた怒りを爆発させるお話。

ホラーだが、キャリーを演じたクロエ・グレース・モレッツが可愛すぎたのでそれほど怖くはなかった。それでも、宗教を妄信している、キャリーの母親を演じたジュリアン・ムーアの狂気には恐ろしさを感じたし、ブチ切れたキャリーの、性根が腐っているかのような意地悪な学友たちへの反撃にはカタルシスを覚えた。そして、最後の二人の美女の対決は観応えがあった。

初めて観たクロエ・グレース・モレッツ出演作は2011年公開の『ヒューゴの不思議な発明』。だが、その時は、可愛い娘だなとは思ったものの、それほど印象には残らず、無論、名前も憶えなかった。彼女を初めて認識したのは、怯える若い女性役を演じた2018年公開のスリラー映画『グレタ GRETA』。怒りに震えて暴走するキャリーの演技も素晴らしかったが、どちらかと言えば、獰猛な彼女はあまり見たくない。

スティーブン・キング原作の映画は多数製作されているが、概ね、駄作だとは思わないものの、あまり好きではない。ただ、『シャイニング』、『アトランティスのこころ』、『ミザリー』、『スタンド・バイ・ミー』等、好きな作品はある。しかし、それは、スティーブン・キングが創造した物語と言うよりも、スタンリー・キューブリック、アンソニー・ホプキンス、キャシー・ベイツ、そして、リヴァー・フェニックスといった、それぞれの監督や出演俳優に魅せられた感があり、特に、近年観た『IT/イット "それ" が見えたら、終わり』や『ミスト』はあまり好きにはなれなかった。本作に関しては、クロエ・グレース・モレッツとジュリアン・ムーアの熱演には惹きつけられたものの、作品は普通の面白さだった。本作よりも評価の高い1976年公開の同名映画はシシー・スペイセク主演なので興味深い。

スペイセクを初めて観た映画は『ミッシング』。あまり綺麗だとは思わなかったが、とても可愛らしくて魅力的だった。そして、2018年公開の『さらば愛しきアウトロー』では、ご高齢にもかかわらず、変わらず魅力的だった。若い彼女が演じたキャリーもぜひ観たい。

キャリーの味方の一人を演じたアンセル・エルゴート。人気作『ベイビー・ドライバー』で主演している。それを観た時はまあまあの面白さだったので、その後、世間での評価がものすごく高いことを知った時は驚いた。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ショーシャンクの空に』、そして、『レオン』と同様、世間の評価と自分のそれにとてもギャップを感じる作品の一つだ。

彼はクロエ・グレース・モレッツと2017年に公開された『クリミナル・タウン』で再共演している。低評価の作品なので、観賞する機会があったら、期待値低めで観賞に臨みたい。

2022年6月22日水曜日

映画『ゴーン・ガール』(2014年)

2022年6月、『ゴーン・ガール』をTV画面にて初観賞。2014年公開のミステリー映画。原作はギリアン・フリが2012年に発表した同名小説。監督はデヴィッド・フィンチャー。主演ベン・アフレック。ロザムンド・パイク出演。

失踪した妻エイミーに翻弄される夫ニックのお話。

ニックは、エイミーと結婚して幸せな夫婦生活を送るも、数年後の失業で若干怠惰になった挙げ句、若い女と浮気までしてしまう、どこにでもいそうなごく平凡な中年男。若干男尊女卑の考えを持っているものの、悪人ではない彼。エイミー失踪の数日後に警察から妻殺しの殺人容疑をかけられ、さらに、エイミーが美女で有名人だったこともあり、女性の味方を自認する人気女性キャスターのテレビ番組から容赦のない非難を浴びる。そんなニックを演じたのがベン・アフレック。

そして、物語が進むにつれて、エイミーの疾走の謎が次第に明らかになっていく。面白いサスペンスだ。

ニックが悪いと思う女性もいるかもしれないが、男なんてこんなもんだよな、と男の私は思ってしまった。そして、全ての女性がそうだとは思わないが、女は恐ろしい、親しくなったら常に気持ちを慮っていなければ、と感じた。

サイコパスを見分ける術が欲しいとも思ったが、好きになってしまえば、愛は盲目とも言うし、見極められないだろうな。

ニックの浮気相手を「若い巨乳のヤリマン」と毒づく場面では可愛げがあって可笑しかったエイミー。男がアレの大きい男に嫉妬するのと同じだな。だが、その点以外は、笑えない密かに恐ろしい女。機嫌が良い時は天使だが、ニックが甲斐性なしになり彼女への態度も変わった途端、その可愛らしい仮面を脱ぎ捨てる様が本当に怖かった。そんな彼女をロザムンド・パイクが怪演。デヴィッド・フィンチャー監督作らしい終盤の修羅場には驚かされた。

パイクを初めて見たのは2021年公開の『パーフェクト・ケア』。どうしようもない悪女を演じていて気分が悪くなったが、本作を先に観ていたら、もう少し楽しめる余裕ができていたかもしれない。

出演している俳優の演技も素晴らしかったが、監督の演出が冴えわたっている、全編に緊張感が漂う良作。

2022年6月14日火曜日

映画『トップガン マーヴェリック』(2022年)

2022年6月『トップガン マーヴェリック』を初観覧。2022年公開のアクション映画。1986年に公開された『トップガン』の続編。トム・クルーズ主演。

若い頃のトム・クルーズが好きではなかったので長い間観ていなかった前作。本作をより楽しむために、その公開直前にTV画面で観賞。36年前の作品なので所々古臭く感じたが、若い優秀なパイロット同士の友情やら親友の死やら、そして、久しぶりに見たメグ・ライアンの可愛らしさやらで、想像以上に観応えがあった。

優秀なパイロットをさらに訓練する学校、トップガンの卒業生でもあり元教官でもある、トム・クルーズ演じるマーヴェリックが、再び教官として復帰して彼の教え子たちと共にならず者国家と闘うお話。

前作を映画館でご覧になっていたファンの方々ほどの思い入れが無いので、マッハ10以上の記録を出すためにテスト・パイロットのマーヴェリックが無茶をする冒頭の場面では、エド・ハリスが現れた時に大好きな映画『ライトスタッフ』を思い出していた。ハリスではなくサム・シェパードだったら完璧なキャスティングだったが、もう亡くなっていらっしゃるので仕方がない。

トム・クルーズの肉体美は相変わらずだった。若いパイロットたちに混じって海辺でアメフトに興じるマーヴェリックの水着姿は他の若者たちのそれと引けを取らないほど若々しかった。公開時に劇場観覧した『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』では走りまくっていたトム様。『ミッション:インポッシブル』最新作でもまた素晴らしいアクションを披露してくれるだろう。死なない程度に頑張って頂きたい。

最新のアクション映画の映像に見慣れていたので、前作のドッグファイトには物足りなさを感じてしまったが、本作のそれは臨場感がハンパなくてとても素晴らしかった。観賞中、IMAXで観るべきだったと悔やみもした。

前作は音楽も評価されているが、私には懐かしさしか感じられなかった。だが、本作で聞こえてきたデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」や「T・レックス」の「ゲット・イット・オン」には鳥肌が立った。そして、極めつけは戦闘機の飛行中に流れた「ザ・フー」の「無法の世界」のシンセサイザー。3曲とも前作公開前の発表曲。そんな古い曲たちが選ばれた本作の音楽担当には新たにレディ・ガガが加わっていた。ガガ様の好みが自分と似ているのかもしれないとか思って嬉しくもなった。

マーヴェリックと、前作で彼の親友だったグースの息子であるルースターとの確執や、ルースターと、彼のライバルでニヤケ顔のハングマンとの友情等、ドラマとしても観応え十分な素晴らしい超娯楽大作。