2022年6月22日水曜日

ゴーン・ガール

2022年6月、『ゴーン・ガール』をTV画面にて初観賞した。2014年公開のミステリー映画。原作はギリアン・フリが2012年に発表した同名小説。監督はデヴィッド・フィンチャー。主演ベン・アフレック。ロザムンド・パイク出演。

失踪した妻エイミーに翻弄される夫ニックのお話。

ニックは、エイミーと結婚して幸せな夫婦生活を送るも、数年後の失業で若干怠惰になった挙げ句、若い女と浮気までしてしまう、どこにでもいそうなごく平凡な中年男。若干男尊女卑の考えを持っているものの、悪人ではない彼。エイミー失踪の数日後に警察から妻殺しの殺人容疑をかけられ、さらに、エイミーが美女で有名人だったこともあり、女性の味方を自認する人気女性キャスターのテレビ番組から容赦のない非難を浴びる。そんなニックをベン・アフレックが好演。

そして、物語が進むにつれて、エイミーの疾走の謎が次第に明らかになっていく。面白いサスペンスだ。

ニックが悪いと思う女性もいるかもしれないが、男なんてこんなもんだよな、と男の私は思ってしまった。そして、全ての女性がそうだとは思わないが、女は恐ろしい、親しくなったら常に気持ちを慮っていなければ、と思った。サイコパスを見分ける術が欲しいとも思ったが、好きになってしまえば、愛は盲目とも言うし、見極められないだろうな。そもそも、そうかもとは夢にも思わないだろうし。

ニックの浮気相手を「若い巨乳のヤリマン」と毒づく場面では可愛げがあって可笑しかったエイミー。男がアレの大きい男に嫉妬するのと同じだな。だが、その点以外は、笑えない密かに恐ろしい女。機嫌が良い時は天使だが、ニックが甲斐性なしになり彼女への態度も変わった途端、その可愛らしい仮面を脱ぎ捨てる様が本当に怖かった。そんな彼女をロザムンド・パイクが怪演。デヴィッド・フィンチャー監督作らしい終盤の修羅場には驚かされた。

パイクを初めて見たのは2021年公開の『パーフェクト・ケア』。どうしようもない悪女を演じていて気分が悪くなったが、本作を先に観ていたら、もう少し楽しめる余裕ができていたかもしれないな。

出演している俳優の演技も素晴らしかったが、監督の演出が冴えわたっている、全編に緊張感が漂う良作。

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