2022年6月2日木曜日

ドラゴン・タトゥーの女

2022年5月、『ドラゴン・タトゥーの女』をTV画面にて初観賞した。2011年公開のサスペンス映画。2009年に公開されたスウェーデン映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のリメイクで、原作は2005年に出版されたスティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』。

ある大物実業家から40年前に行方不明になった彼の姪について調査するよう依頼された雑誌『ミレニアム』記者ミカエルが、天才ハッカーのリスベットと共にその失踪事件の解明を目指して奮闘するお話。

ダニエル・クレイグ主演との事で観る気になったが、痩せぎすで黒ずくめのリスベットを演じたルーニー・マーラの体当たり演技に度肝を抜かれた。ルーニーに関しては、『ドント・ウォーリー』や『キャロル』等で可愛い女性を演じていた彼女しか知らずにいて、本作であんな酷い目に遭う役を既に演じていたとは夢にも思っていなかったので、また、可憐なお顔でいらっしゃるのにあんな辱めを受ける役なんてよく引き受けたな、と驚いた。そして、ラストの切なさの滲んだカッコ良さに痺れた。クレイグはと言えば、ジェームズ・ボンド役の彼しか知らなかった為、本作でのミカエル役は少し物足りなかったが、超人的なタフネスさを持ち合わせていない人間なんてあんなものだ。ボンドではない彼が出演している作品をあと何本か観れば、身体能力が普通の男性役の彼にも慣れるだろう。

脇役では、存在感のあるクリストファー・プラマーとステラン・スカルスガルドにそれぞれ魅せられた。そして、今回、スカルスガルドが『グッド・ウィル・ハンティング』であの長身痩躯の数学教授を演じていた事に初めて気づいた。『ボルグ/マッケンロー』にも出ているが、年齢を重ねて貫録が増したようだ。

真実が明らかになるにつれて気分が悪くなる物語。終盤の観賞中、ジャック・ニコルソン主演の『チャイナタウン』を思い出した。あのロマン・ポランスキー監督作同様、下衆な話が盛り込まれているものの、全編に緊張感が漂うスタイリッシュな良作。やはり、デヴィット・フィンチャー監督作も一味違う。

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