2022年5月18日水曜日

キャロル

2022年5月、『キャロル』をTV画面にて初観賞。2015年公開のドラマ映画。トッド・ヘインズ監督作。パトリシア・ハイスミスが1952年に発表した同名小説が原作。因みに、ハイスミスは、1960年公開のアラン・ドロン主演のフランス・イタリア映画『太陽がいっぱい』や1999年公開のマット・デイモンが主演した『リプリー』の原作小説『太陽がいっぱい』の著者でもある。2冊とも主人公は同性愛者。

先月観覧した『ナイトメア・アリー』にて、綺麗だが悪魔のような表情も見せたケイト・ブランシェットと世の男たちが恋焦がれる理想的な可愛い女性を演じたルーニー・マーラが、本作でダブル主演していると知り、早速観賞した。

彼氏がいる若くて可愛いデパートの店員テレーズが夫と娘を持つ綺麗で気品のある淑女キャロルと出会ってしまうお話。

レズビアンのロマンスが描かれているとは知らなかったので二人の女性がお互いに恋愛感情を持ち始めた時は若干戸惑ったが、それまでにレズビアンの恋愛が描かれた『ブックスマート』、『ザ・プロム』、そして、『燃ゆる女の肖像』を観ていたので動揺することはなかった。そして、二人の関係を見ながら、女同士の恋愛も男女のそれも本質的には変わらないなあと改めて感じた。二人の愛の深さを見せる必然性があったにせよ、二人が枕を交わす夜が濃密に描写されていた事には若干驚かされもしたが、そのベッドシーンを演じたお二人は本当に美しかった。

観賞中、自分の考えを押しつけがちな男たちの描かれ方から、女性監督作っぽいなと感じたが、観賞後に調べてみると監督は男性のトッド・ヘインズ。だが、ゲイであることをカミングアウトしているお方だった。社会が男性優位から僅かだが少しずつ男女平等社会に移行しているこのご時世。時代に置き去りにされぬよう公平な目を持ちたいものだ。

二人の美女、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの魅力満載の、素敵で切ない恋愛映画。

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