2022年8月10日水曜日

アクトレス~女たちの舞台~

2022年7月、『アクトレス~女たちの舞台~』をテレビ画面にて初観賞した。2014年公開のドラマ映画。主演はジュリエット・ビノシュ。クリステン・スチュワートとクロエ・グレース・モレッツ出演。

20数年前に娘役を演じたある舞台劇の再演で、その娘の母親役を演じる事になった大物ベテラン俳優マリアが、彼女の若いマネージャーのバレンティンとともにその役作りに励み、その娘役を演じるお騒がせな新進気鋭の俳優ジョアンと共演するお話。

役作りをしているマリアに対して物おじせずに自分の意見をはっきり言う、若いクリステンを演じたスチュワート・ヴァレンティンの鋭い演技は、リアルでとても素晴らしかった。二人の役柄への考え方の相違はジェネレーション・ギャップとも言えたが、その言い争いを通してそれぞれの立場が二転三転する様もとてもリアルで、主役を任され続ける俳優さんは、皆、ここまで真摯に役柄と向き合っているのだろうなと思えた。ただ単に撮影前にセリフを丸暗記してリハーサルで監督の意図を確認して本番でのみ真剣に演技するだけの役者は、ずば抜けた演技の才能が無い限り、淘汰されるのだろうな、役者の世界って本当に大変だなと思った。

マリアを演じた主演のジュリエット・ビノシュを初めて観た作品は『存在の耐えられない軽さ』。それまで大抵の西洋人の女性は皆大人びて見えていたので、『パルプ・フィクション』でブルース・ウィリスが演じたボクサーの若い恋人役だったマリア・デ・メディロス、そして、『レインマン』でトム・クルーズが演じた自動車ディーラーのパートナー役だったヴァレリア・ゴリノを見た時と同様に、童顔の彼女の可愛らしさに少し驚いた。だが、よく考えてみると、サリー・フィールド、ダイアン・キートン、そして、キャメロン・ディアスも童顔だし、最近だと、キャリー・マリガンやアナデ・アル・マスもそうだ。童顔美女は日本人女性というイメージを単純に持っていたが、それは私の偏見だった。その後、ジョニー・デップも出演している『ショコラ』で観た彼女は、可愛らしさに加えて大人の落ち着きもあって、いい年の取り方をしているなと思った。本作でも相変わらず可愛らしさを保っていらっしゃり、相変わらず魅力的だった。

クロエ・グレース・モレッツもまた、暴言を吐いたり不倫したりする生意気でお騒がせな若手俳優を好演。

若い二人の俳優はそれぞれ魅力的で存在感もあったが、結局、本作で最も魅せられたのは様々な表情を見せてくれたジュリエット・ビノシェだった。

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