2022年7月29日金曜日

早熟のアイオワ

2022年7月、『早熟のアイオワ』をTV画面にて初観賞した。2008年公開のドラマ映画。日本公開は2014年。監督および脚本はロリ・ペティ。ペティの少女時代の体験を基にした物語。ジェニファー・ローレンス主演。クロエ・グレース・モレッツ出演。

家族に暴力をふるう父親と別れる事は出来たが、その後、売春宿で売春婦の母と一緒に暮らすことになった3姉妹の、特に、長女アグネスの過酷な一日が描かれている。

私の父は、常日頃から家族を腕力で威嚇して機嫌が悪い時は平気で暴力を振るう人だった。だから、私は自分を不幸だとずっと思っていた。だが、高校時代の友人の父親も似たような人間であった事を知ったり、実家を出て一人暮らしを始めてから出会った様々な方から色々な話を聞いたり、マスコミが報道する幼児虐待の実態を見聞きして、自分より不幸な子供たちが大勢いる事を徐々に知った。そして、本作の3姉妹の長女アグネス。彼女が思春期真っただ中の年頃だった事を考えると、あの暴行事件の被害者になっただけでなく、その直後に母親から慰められる事も無く、逆に冷たくあしらわれたのは本当に悲しい話だ。それでも、その後も堕落する事無く成長した彼女は素晴らしい女性だ。

こういう実話が公になるのは良い事だと思う。自分の子供を愛せない親は確実に存在している。全ての親が彼らの子供たちを心から愛していると盲目的に信じる事は危険だ。その間違った認識のせいで言いたい事を言えない子供たちが大勢いるのが現実。

ジェニファー・ローレンスがアグネスを熱演。監督のペティの少女時代の体験に基づいて作られたその役を見事に演じ切っていた。アグネスの母親サラに関しては、体を売るしかない状況で酒や薬にも溺れていた為、娘たちを深く愛することが出来なかった事への多少の同情の余地はあるものの、人間の本質が露出するのはギリギリの状況の時である事を思うと、残念なお方だ。

正直に言うと、クロエ・グレース・モレッツ見たさで観賞した本作。この2年後に公開された『キック・アス』でのミンディおよびヒットガールを演じた彼女は可愛らしくて最高だった。本作でも、特に、車の中でロックミュージックに合わせて頭を前後に振っているシーンはとても可愛らしかった。だが、本作ではまだ子供だったので、ローレンスの魅力や存在感の方が圧倒的だった。

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