2020年4月1日水曜日

ワン チャンス

2020年3月に映画『ワン チャンス』をTVにて観賞した。オーディションでチャンスを掴む男の物語。実話。オーディションを扱った映画と言えば、若い女の子のサクセス・ストーリーを描いたフィクションの『ティーンスピリット』を思い出す。エル・ファニングが綺麗で可憐だったので全編で見飽きることは無かったが、本作は、冴えない青年の物語だったので眼の保養には全くならなかった。割と感動は出来たが。 
主人公ポールを演じたジェームズ・コーデンの太った容姿から、映画『リチャード・ジュエル』のリチャードを連想した。両作の主人公はいずれも同じ太った体型だが、それぞれの人間性はまるで違う。リチャードは自分が正しいと思い込む質。ポールは自分に自信が無い。どちらも周りにいたら面倒臭い男達。でも、そんな彼等だからこそドラマが生まれたのだろう。 
良い映画だが、何か物足りない。結果が分かっているせいか、オーディションのシーンではそれほど感動しなかった。そんな中、一番心に残っているのは、主人公の父親が酒場で男を殴った場面。スカッとした。クズはいくつになってもクズ。夫婦愛よりも親子愛の方が心に響いた。 
ポールの奥さん役のアレクサンドラ・ローチが、魅力的だけど、典型的な美人女優ではないことが本作をより現実的にしていると思う。現実世界でも、素敵な女性の容姿は普通であることが多い気がする。美しいに越したことはないが、最後にものを言うのは、男女共に人間性だと思う。 

0 件のコメント:

コメントを投稿