2022年3月18日金曜日

ゴーストバスターズ/アフターライフ

2022年2月、Movix亀有にて『ゴーストバスターズ/アフターライフ』を初観賞。2021年公開のコメディ・アクション映画。『ゴーストバスターズ』シリーズの4作目。2016年に公開された3作目のリブート版ではなく1989年公開の2作目『ゴーストバスターズ2』の続編。1作目はもう何度も観ている名作。私の好きなメリッサ・マッカーシーが出ているので、そして、1作目は特殊効果の映像が少し古く感じるので、一番好きなのは3作目だった。それでも、一番見てて楽しいのは1作目のビル・マーレイの演技だ。本作観賞前、2作目はヒット作の続編にありがちな駄作だと決めつけていて未観だった。観賞中、その事を後悔した。マッケナ・グレイス主演。

1980年代のニューヨークで活躍したゴーストバスターズを祖父に持つ孫たちとその友人たちで結成された新ゴーストバスターズが、オクラホマ州の田舎町でゴーストたちと戦うお話。

主人公は、故ハロルド・ライミスが演じていた旧ゴーストバスターズの一員スペングラー教授の孫娘フィービー。最初は彼女を男の子だと思っていたが、自分の祖父の真実を知るにつれて次第に生き生きし出して可愛らしくなっていく様を見ながら、女の子だと気づいた。マッケナ・グレイスがそんな彼女を可愛らしくも凛々しく好演。そして、フィービーの兄トレヴァーを演じたのは、『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』でおしゃべりな少年を演じていたフィン・ウルフハード。ティモシー・シャラメを連想する風貌。今時の美男子だ。その兄妹とそのそれぞれの親友たちで4人組の新ゴーストバスターズを結成。フィービーの親友はアジア系の愛らしい少年ポッド・キャスト。トレヴァーの親友は彼が想いを寄せるアフリカ系の若い美女。セレステ・オコナーが演じていた。トム・ホランド主演の『スパイダーマン』シリーズ同様、ポリティカル・コレクトの意識の高さを感じた。もちろん、二人ともその兄妹と同じくらい魅力的だった。

思わず笑ってしまったのは、ゴーストの事を何も知らない警察に捕まって留置場に入れられたフィービーが警官に電話を借りたいと言って、その警官から、誰にかけるんだ、と尋ねられたフィービーが電話をかけた相手が、ダン・エイクロイド演じる旧ゴーストバスターズの一員スタンツ教授だった時。ワクワクが止まらなかった。若いゴーストバスターズを助けるべく現れた旧ゴーストバスターズが、年齢を考えれば仕方ないが、若干老いぼれていたのも可笑しかった。

監督はジェイソン・ライトマン。『ゴーストバスターズ』シリーズの第1作と第2作を監督したアイヴァン・ライトマンの息子さんだ。そのアイヴァンさんは2022年2月12日に永眠。その悲しいニュースを聞いたのが観覧直後だったので感慨深くなった。フィービー、彼女の母親、そして、その父親の3代にわたるスペングラー家の物語がしっかり描かれていたのも、ジェイソンが父の助言をしっかり聞いていたからに違いない。

人間ドラマだけでなく、映画館で初めて観たシリーズ作だったせいか、その壮大なCGIにも感動した。文句無しのシリーズ最高作だ。

2022年3月15日火曜日

ハウス・オブ・グッチ

2022年2月、Movix亀有にて『ハウス・オブ・グッチ』を初観賞した。2020年公開の実話を基にしたドラマ映画。監督はリドリー・スコットで俳優陣も豪華だ。

高級ブランドで有名なグッチ一族の、1970年代後半以降の華麗と言うよりも俗な人間ドラマが描かれている。

グッチ一族の後継者の一人、マウリツィオ・グッチと若いイタリア娘パトリツィアとの愛憎物語とも言える本作。パトリツィアの積極的なアプローチを受けて結婚までしてしまった世間知らずで家業にも興味の無い御曹司マウリツィオは、婚姻後も野心家のパトリツィアに従順であったが、次第に彼女が疎ましくなり、男の意地も手伝って言いなりになるのを止める。悩める謙虚な若者から妻のおかげである程度立派な男になれたにもかかわらず、そのまま思い上がってしまったマウリツィオをアダム・ドライバーが繊細に好演。そして、パトリツィア役はレディ・ガガ。これまでに彼女が歌唱していた姿を度々目にしていたが、思っていたよりも小柄だったのに少し驚いた。だが、彼女の気の強そうな顔つきはパトリツィア役にはうってつけに感じた。演技は、本業が歌手の割には良かったが、それほど上手いとは感じなかったものの、その情熱的な表情やふるまいは観応えがあった。

アル・パチーノも出演。40代と50代の彼は大好きだが、数年前に観た『アイリッシュマン』の3回目の観覧時に老いが気になって若干失望してしまった。本作では、あまり期待せずにいたのが幸いしたのか、年相応の爺様を魅力たっぷりに好演していた。まだまだ枯れ切ってほしくない俳優さんだ。

ジェレミー・アイアンズが演じた、マウリツィオの父ロドルフォ・グッチを見ながら、『フォードvsフェラーリ』に出ていたフェラーリの会長を思い出した。アイアンズは英国人らしいが、それでも、彼が演じたイタリア人の爺様のダンディな雰囲気には魅せられた。

監督のリドリー・スコットの前作『最後の決闘裁判』は、良作だとは思うが、心にはあまり響かなかった。本作でも響かなかったが、人間の愚かさが描かれていてじんわり沁みた。少なくとも、前作よりは好きだ。

「グッチ」というブランド名に翻弄された、本作における実在した方々のドラマは、正直、感動的ではなかった。むしろ、普通の人々に思えた。財を成しても身の程をわきまえていないと人はすぐに転落する。結局、人を狂わせるのは大金だ。コンスタン・ウー主演の『クレイジー・リッチ』を観た時にも思ったが、本当に幸せなのは小さな夢を持った謙虚な小金持ちなんだろうな。


2022年3月4日金曜日

007/慰めの報酬

2020年10月、『007/慰めの報酬』をTV画面にて初観賞。その後も時折観ている2008年公開のスパイ・アクション映画。ダニエル・クレイグが演じる007の第2作目。

物語は『007/カジノ・ロワイヤル』の続き。殺しのライセンスを得たばかりのジェームズ・ボンドが、生け捕るべき敵を次々と殺してしまうも、悪党たちとの死闘を通して工作員としての練度を高めてゆき、終盤で、前編で愛し合った女性との出来事に落とし前をつけて、スパイとして非情に徹する覚悟を新たにするお話。

冒頭のカーチェイスや海上でのボートによる逃走劇、飛行機とヘリコプターの空中戦、そして、終盤の砂漠の中に建っているホテルでの悪党たちとの死闘等、本作も本格的なアクションの連続だ。ダニエル・クレイグ演じる007が本当にカッコイイ。そして、中盤から行動を共にする、ウクライナ人俳優オルガ・キュリンコが演じたミステリアスな美女カミーユに敵と戦う時の心得を教えるボンドが紳士だった。ショーン・コネリーやロジャー・ムーアのボンドだったら絶対どこかで一夜を共にしているはずだ。

悪者たちに関しては、前作のマッツ様や次作のハビエル・バルデルと違い、それほどの華やかさや凄みは無い。悪役の一人マチュー・アマルリックは、ネット上で阿部サダヲに似ているという感想をよく目にしたが、私には手塚とおる似に見えた。いずれにしても迫力に欠けた。

『007/カジノ・ロワイヤル』と併せて観た方がより楽しめる、アクションだけでは無いスパイ・ドラマ映画の良作。

2022年3月2日水曜日

キングスマン:ファースト・エージェント

2022年1月、Movix亀有にて『キングスマン:ファースト・エージェント』を観賞した。2021年公開のスパイ・アクション映画。主演はレイフ・ファインズ。タロン・エガートンとコリン・ファース主演の『キングスマン』の前日譚であり、『キングスマン』シリーズの第3作。

レイフ・ファインズが演じる、従軍経験を持つ英国の名門貴族オーランド・オックスフォード公が、第一次世界大戦下の世界の混乱を収めるべく独自に諜報活動を行い、その後、国家に属さない民間スパイ機関「キングスマン」を発足するお話。

『シンドラーのリスト』の戦争で少しおかしくなったナチ将校、『レッド・ドラゴン』の殺人鬼、そして、『ハリー・ポッター』シリーズの恐ろしい魔法使いといった悪役から、『メイド・イン・マンハッタン』の政治家や『ナイロビの蜂』の外交官といった紳士役まで様々な役柄を好演してきたレイフ・ファインズ。割と好きな俳優さんだ。ここ数年は『007』シリーズや『オフィシャル・シークレット』で脇役だが存在感のある紳士役を好演していたので、本作で体を張ったアクションを披露している彼には少し驚いたし、顔が似ていてアクションもこなすリーアム・ニーソンやハリソン・フォードに対抗心を燃やして暴れまわっているようにも見えた。年齢を考えたら、無難に紳士役を演じていればいいのにとも思ったが、体を動かしたいお方なんだろうな。本作では、使命感を持って世界平和のために精力的に活動するオーランド・オックスフォード公を好演。アクションも素晴らしかった。

残念だったのは、『キングスマン』シリーズの前2作と比べて、若い俳優の活躍が少ない事。オックスフォード公の息子役のハリス・ディキンソンや執事役のジェマ・アタートンの出番をもう少し増やしてほしかった。だからと言って、レイフ・ファインズがつまらなかったわけではない。私が無いものねだりをしているだけなのかもしれないし、それだけ、前2作のタロン・エガートンとコリン・ファースのコンビが素晴らしかったのだと思う。

第一次世界大戦をコミカルに描いていて、また、名前くらいは知っていたラス・プーチンに興味を湧かせてくれた本作。だが、正直、面白さはまあまあだった。次作が製作されるとしたら、第二次世界大戦の裏側がどう描かれるのか興味はある。

2022年2月24日木曜日

クライ・マッチョ

2022年1月、Movix亀有にて『クライ・マッチョ』を初観賞。2021年公開のドラマ映画。クリント・イーストウッド主演・監督作。

イーストウッド演じる老齢の男が、古い友人から、メキシコにいる彼の息子をアメリカに連れ帰ってほしいと頼まれ、メキシコに単身乗り込んでその少年を探し出し、彼と二人でアメリカへの出国を目指してメキシコを旅するお話。

2018年公開作の『運び屋』を観覧した時は、主演していたイーストウッドがすっかり衰えた爺様になっていたのに驚いた。だから、これが彼の最後の主演作になるんだろうな、と思いながら観ていたし、強い男を演じる彼が好きだったので、同年公開作の『さらば愛しきアウトロー』で俳優業を引退したロバート・レッドフォードと同様に、演じるのはその作品で最後にしてほしかった。2019年公開の『リチャード・ジュエル』では出演せず監督業に徹していて、その作品も素晴らしかったので、このまま監督業に徹していてほしいな、と思っていたが、本作で再度主演するというニュースを聞いた時は本当に驚いた。もっと率直に言うと、主演は『グラン・トリノ』を最後にしてほしかったし、『運び屋』での彼の姿は、目はまだ死んでいなかったが、あまり見ていたいものではなかった。しかし、彼が演じる事を決意したのであれば、一ファンとしては見届けるべきだとも思い、『クライ・マッチョ』の観覧に臨んだ。

イーストウッドは、想像していたよりはお元気そうだった。さすがにもう筋骨隆々ではないが、休息が必要な時はしっかり寝るという姿や何が起こっても慌てず冷静に考えて行動する様に、腕力が無くとも心は強く持つべき、体力が落ちてもその時のベストを尽くせば活路は常に見いだせるというメッセージを感じた。そして、若い頃とは体力が格段に落ちてしまい、もうオジサンだから仕方がないと投げやりになりがちな日ごろの自分を改めようと思った。疲れた時はまず十分に睡眠を取ればいい。その時その時でやるべきことに集中して、余計な事は時間がある時に考えればいいのだ。

『グラン・トリノ』でのアジア人の子供との関係性の方が好きだが、メキシコで見つけ出して行動を共にした少年との交流もまた微笑ましかった。必要以上に、安易に子供に迎合しない姿勢も大人の正しい在り方だ。

酒場の女主人との交流では1992年の『マディソン郡の橋』を思い出した。あの作品では彼が土砂降りの中でずぶ濡れになったシーンが印象的だったが、本作における御大の彼女との接し方は粋だった。そして、女性を好きになっても、媚びは売るな、誠意だけはしっかり示せと言われた気がした。

生きる伝説、クリント・イーストウッドの過去の出演作が様々な場面で頭に浮かぶ良作。また演じたい役があったなら、再度、その役を通して年相応の男の流儀を示して頂きたい。

2022年2月17日木曜日

007/カジノ・ロワイヤル

2020年10月、『007/カジノ・ロワイヤル』をTV画面にて初観賞。その後も折に触れて観ている2006年公開のスパイ・アクション映画。ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドの第1作。『007』シリーズの21作目。

殺しのライセンスを取得したばかりのMI6のエージェント、ジェームズ・ボンドの活躍が描かれている。

ダニエル・クレイグが演じる007は、堅物っぽかったティモシー・ダルトンと同様にあまり浮ついていない。手あたり次第に女と寝る大昔の007とは大違いだ。ただ、彼はダルトン以上に、そして、ショーン・コネリーやロジャー・ムーアと同じくらい男の色気を漂わせている。そして、歴代のボンド俳優の中で殺しのライセンスに一番ふさわしいのは、ダニエル・クレイグだと思う。欧米人としては中肉中背だが、顔つきや体つき、身のこなしが闘う男だ。任務遂行の為にひたすら邁進する姿にシビれる。落ち着いた雰囲気と男臭さを併せ持つクレイグが、ボンド俳優の中で一番好きだ。

悪役で、日本では「北欧の至宝」と呼ばれている、マッツ・ミケルセンが出演。初めて観た彼が出演している映画は『永遠の門 ゴッホの見た未来』。その時は、ゴッホ役のウィレム・デフォーの存在感が圧倒的だったせいか、あまり印象に残らなかった。近いうちに再観賞したい。そして、初めて彼を認識したのは、『ファンタスティック・ビースト』シリーズを降板したジョニー・デップの代役に抜擢されたニュースを聞いた時。世の女性にマッツ様と呼ばれているのもその時知った。本作でも噂に違わぬセクシーなお方だったし、本作を観賞していなかったら『アナザーラウンド』も観ていなかっただろう。

ピアース・ブロスナンの『007』シリーズからM役で出演しているジュディ・デンチも引き続きMとして出演。さすがの存在感。11年後に主演していた『ヴィクトリア女王 最期の秘密』でも女王様をチャーミングに演じていた。映画に出演し出したのは50歳をすぎてかららしい。80歳を過ぎても変わらず素敵な俳優さんだ。


2022年2月12日土曜日

パーフェクト・ケア

2022年1月、角川シネマ有楽町にて、『パーフェクト・ケア』を初観賞。2020年公開のブラック・コメディ映画。

裕福で孤独な老人たちを騙して彼らの財産を合法的に奪い続けていた女が、マフィアのボスの身内に手を出して窮地に追い込まれるお話。

胸くそ悪い映画だった。登場するのはほぼ全員悪党。善人に見えたのは、腹黒い女たちに利用されている間抜けな裁判長のみ。長生きするのが嫌になってくるお話だ。ま、私には彼女のような悪者に狙われるほどの財産は無いが。

冒頭で主人公の悪女が、私はライオンか子羊か、と自問自答している。この手の質問を耳にする度に、毎回、大げさだなと思う。そもそも、我々ヒトはずる賢いサルだったからこの星の生態系の頂点に座っているのだ。卑怯は時に生き延びる手段だ。強い動物に憧れる気持ちは理解できるが、動物を用いる究極の質問に関しては、真面目に考える気にもなれない。

それにしても、欧米人はライオンを比喩に使うのが好きだ。サッカーワールドカップでデイヴィッド・ベッカムがレッドカードで退場になりイングランドが敗退した翌日の、彼の母国の新聞が「ライオンのような勇者たち10人と1人の愚か者」という見出しを打った事が、当時、話題になった。そして、昨年観た『エンド・オブ・ステイツ』では、ジェラルド・バトラーとダニー・ヒューストン演じる男たちが、俺たちはライオンだ、と話していた。私は虎や狼の方が好きだな。特に一匹狼の孤高の姿には憧れる。

人間は騙す側と騙される側に分けられるかもだが、私はどちらにも属したくない。こんな甘えた考え方をしていると詐欺師たちのカモになるのかもしれない。油断大敵な夜の中だ。

主人公の、老人たちを騙す事に執念を燃やす姿やマフィア相手でも一歩も引かない態度を痛快だと絶賛する方々が大勢いるが、私は、彼女には無様に死んでほしいと心から願っていた。そう思わせたロザムンド・パイクの演技は素晴らしかったと思う。でも、ヒーロー映画の悪者やサイコパスとは違う、一般市民の仮面を被る性根の腐った悪者を演じるってどんな気分なのかな。被害者の老人の一人を演じていたのがダイアン・ウィースト。可愛らしさと凄みを併せ持つ老女を好演していた。『運び屋』にも出ていた。齢70歳を過ぎても売れっ子の役者さんだ。

2022年2月8日火曜日

ピアース・ブロスナンの007

ピアース・ブロスナン主演の『007』シリーズの第17作から第20作をそれぞれ2020年秋にTV画面で初観賞。その後も折りに触れて観ているスパイ・アクション映画群。

MI6のエージェント、ジェームズ・ボンドの活躍が描かれている。

他のボンドたちと比べるとあまり評判がよくなかったので、ブロスナンの007にはあまり期待していなかったが、映像があまり古くないせいもあるのか結構楽しめた。ショーン・コネリーは男らしくて、ロジャー・ムーアはハンサムな上にユーモアがあって、ティモシー・ダルトンは堅物に見えた。ブロスナンは、確かに他のボンドと比べると存在感が薄いが、まあまあハンサムで適度に洗練されていてアクションも無難にこなしているので、概ね悪くはないと思う。

『ゴールデンアイ』の公開は1995年。良作。ボンドガールが敵味方共に綺麗だ。ファムケ・ヤンセンとイザベラ・スコルプコ。そして、ジュディ・デンチがMとして初登場。

『トゥモロー・ネバー・ダイ』の公開は1997年。スパイ・アクション映画としては良作だと思うが、概してあまり印象に残らなかった。

『ワールド・イズ・ノット・イナフ』の公開は1999年。ボンドガールとしてソフィー・マルソーが出演。公開時30代前半。10代だった頃の彼女にはよく見惚れたが、性悪な敵役である本作ではあまり魅力的には見えなかった。それだけ、役に徹していたということだろう。

『ダイ・アナザー・デイ』の公開は2002年。マドンナがカメオ出演。先日観覧した『ハウス・オブ・グッチ』に出ていた同じく歌姫のレディ・ガガは、あまり演技が上手いとは思わなかったが『ボディ』のマドンナよりは断然良かった。マドンナは欲張らずに歌とライブ・パフォーマンスに集中した方がファンも喜ぶと思う。そして、ジェフ・ブリッジスと同様、いかにもアメリカ人という出で立ちのマイケル・マドセンが出演。アメリカの竹内力だ。なぜか彼が出てくると嬉しくなる。存在感がある良い役者さん。ハル・ベリーも出演。それまで、ボンドガールは白人美女という固定観念があったので、アジア人やアフリカ系の俳優が出てくると、別に人種差別をしているつもりはなかったが、個人的には少し違和感を覚えていた。だが、ベリーには違和感が無かった。そして、人種はどうでもいいなと思い始めた。彼女の魅力が私の固定観念を変えてくれた。


ティモシー・ダルトンの007

ロジャー・ムーアの007

ショーン・コネリーの007

2022年2月2日水曜日

ドント・ルック・アップ

2021年12月、ヒューマントラスト有楽町にて『ドント・ルック・アップ』を初観賞。2021年公開のブラック・コメディ映画。錚々たる有名俳優たちが出演している。

地球に衝突する彗星を発見した大学教授と彼の教え子がその事をアメリカ政府や国民に知らせようと奮闘するお話。

アメリカ大統領とその息子で主席補佐官の人間性にあまりにもリアリティが無さ過ぎたので、これは気楽に観るべきコメディだなと早々に感じて、現在の社会を風刺している場面などを楽しんだが、レオナルド・ディカプリオ演じる大学教授とその家族や仲間たちのラストの描写がやけにリアルで、その時間も必要以上に長すぎると感じてしまい、その場面は全く笑えなかった。その描写がもう少しあっさり終わっていれば、観賞後に面白かったなと思えただろう。だから、その点が残念だった。そのラストの場面をリアルにするなら、大統領の人格ももう少しリアルにすべきだと思う。日本の総理大臣だったら、キングメーカーがより大きな影響力を持っている国でもあるし、世界への影響力はアメリカ大統領ほどでは無いので、多少軽薄な人間の設定でも問題は無いと思うが、アメリカの大統領は世界に影響を及ぼすわけだから、あんな浅はかな人間だったらそもそも議員にすらなれないはずだ。ブッシュさんやトランプさんの悪評も、多少はマスコミのネガティブ報道のせいだと思う。こんな風に感じてしまったのは、私が保守的な考え方を持っているせいかもしれないが。ニュースキャスターは、大衆受けしてテレビ局にとって都合の良いインテリに見える人間しかなれないわけだから、劇中のマヌケな二人で問題は無い。

メリル・ストリープは、設定された役柄の良し悪しはさておき、素晴らしい演技をしていたと思う。そして、若い頃はバリバリの美男俳優だったレオナルド・ディカプリオが、カッコいいとは言えないひげ面のオジサン大学教授を好演。後半にティモシー・シャラメも登場。出演俳優たちが豪華すぎないかとも感じたが、そう言えば若いハンサムな登場人物が出てないし、と納得。でも、俳優たちの出演料の総額は莫大だっただろうな。

この作品は概ね好評だ。私の感性は時代とズレている、と『最後の決闘裁判』に続いて感じてしまった。

2022年1月14日金曜日

ティモシー・ダルトンの007

ティモシー・ダルトンが主演した『007』シリーズの第15作と第16作、『リビング・デイライツ』と『消されたライセンス』を2020年秋にTV画面にて初観賞。その後もこれまでに数回観ているスパイアクション映画。それぞれ1987年と1989年に公開された。

イギリスの諜報機関の凄腕スパイ、ジェームズ・ボンドの活躍を描いた作品群。

ショーン・コネリーとロジャー・ムーアが演じていたボンドは、美女たちとすぐに男女の仲になるが、ティモシー・ダルトンが演じたボンドはそうではない。その上、ダルトンが演じた彼はジョークもより少ない。そのせいで彼は堅物に見える。それに、50代でボンドを演じていたムーアは40代前半の彼よりも若々しく見える。娯楽大作の主役としては、やはり、ロジャー・ムーアは別格だ。だが、真面目に見える分、ダルトンが主演した作品はスパイ物としては面白い。そして、後にダニエル・クレイグが演じたボンドと似ている、浮ついていないという点は好感が持てる。だが、歴代のジェームズ・ボンド俳優と比べるとやはり地味に映る。でも、それは、ボンド俳優としてはそう見えるというだけで、ダルトンがカッコいい俳優さんである事は確かだ。

2作品のボンドガールに関しては、ダルトンが歴代俳優と比べて華やかさに欠けるせいか、美人ぞろいだ。『リビング・デイライツ』のマリアム・ダボ、『消されたライセンス』のキャリー・ローウェルとタリサ・ソトがそれぞれ綺麗で妖艶だ。

そして、『消されたライセンス』には若いベニチオ・デル・トロが悪役で出演している。彼にとっては2作目の映画出演らしい。この頃から存在感がある俳優さんだ。

2作品ともダニエル・クレイグ主演の『007』と同じくシリアスな作風だが、あくまでも私の主観だが、ダルトンにはクレイグほどの男の色気が感じられないので、ファンの方には申し訳ないが、両作とも『007』作品としてはあまり好きではない。だが、スパイ映画としては良作だと思う。


ロジャー・ムーアの007

ショーン・コネリーの007