2021年4月14日水曜日

テッド & テッド2

先日、『テッド』と『テッド2』をDVDにて観賞。それぞれ2012年と2015年に公開されたコメディ映画。主演はCGIのぬいぐるみとマーク・ウォールバーグ。そのぬいぐるみの名前がテッドで、その声優がセス・マクファーレン。『テッド』はマクファーレンの監督・脚本デビュー作でもある。

主人公のジョンと、彼が子供の頃に両親からプレゼントされた、そして、なぜか魂が宿ってしまったぬいぐるみ、テッドとの友情物語。

観始めは、ぬいぐるみに魂が宿るわけがない、とか、アニメなら許せる設定だけどな、とか、実写の『プーと大人になった僕』はディズニーアニメ『くまのプーさん』の続編だし、とか色々思ったが、徐々にテッドの愛らしいルックスとその動きに惹きつけられて、そういう理屈とかどうでもよくなっていった。テッドの親友ジョンをマーク・ウォールバーグが好演。

『テッド』は、ジョンの彼女、ロリーが、テッドとジョンの仲の良さに嫉妬するお話。ミラ・キュニスがロリー役を好演。

『テッド2』は、テッドが「人」か、それとも、「物」か、という議論が巻き起こるお話。その議論自体は、ぬいぐるみに魂が宿っていることが前提になっているので、その前提が現実社会ではあり得ない事象である以上、正直、真面目に考える気にもなれない。強いて言うなら、人の言葉を話せるのだから、テッドは「人」として認められてもいいのではないかと思う。日本では、法的にはペットは「物」なので、ペットを持つ方々にとっては、興味深い議論であるだろう。

両作とも、ブラックユーモアに満ち溢れた、とても面白い、大人が楽しめるコメディ。特に、『テッド2』で、ジョンとテッドたちが屋上から下の通りを走るジョガーめがけて林檎を投げつける場面が痛快で、一緒にやりたいなと思ってしまった。

2021年3月24日水曜日

エイス・グレード

2019年9月、ヒューマントラストシネマ有楽町にて『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』を初観覧。そして、先日、DVDにて再観賞。2018年公開の青春映画。エルシー・フィッシャーの初主演作で、ボー・バーナムの監督デビュー作でもある。

アメリカの中学2年生の女の子、ケイラの成長記。

ケイラは内気で口下手な女の子。学校で、「最も無口な女の子」に選ばれてしまってショックを受ける、どこにでもいそうなイケてない女の子。クラスのイケてる女の子たちと仲良くなりたくて彼女たちに一所懸命話しかけるが、全く相手にされない。家では父マークと二人暮らし。食事中でさえスマホを手放さないケイラ。そんな娘と話をしたいマーク。でも、スマホに夢中なケイラは話しかけてくるマークをウザがる。そんなケイラの日常が彼女の中学卒業まで淡々と描かれている。可笑しかったのは、彼女が苦手なバナナを食べようとする場面。いじらしかったのは、ポッチャリ体系の彼女が、痩せている友だちが大勢いるプールパーティに、水着姿で恥ずかしそうに現れる場面。様々な事が起きるが、ケイラは、優しい父に見守られながら、自分を見失う事無く少しずつ着実に成長する。そんな彼女の健気な姿がとても愛らしい。

『ブックスマート』同様、主人公がクラスの人気者ではないので、とてもリアルなドラマに仕上がっている。クラスの人気者が主役の青春ドラマも悪くはないが、学校なんて、目立たない地味な学生の方が多いのだから、今後も、こんな作品が増えてほしいと思う。美男美女の学生カップルの恋愛なんてありきたりだし。

初観賞時、正直、リアルすぎる主人公に戸惑った。だが、その後、等身大の女性が主人公の『ブックスマート』『レディ・バード』『フランシス・ハ』といった良作の観賞を通して女性のリアルな描写に慣れたせいか、本作の再観賞時は、前回よりケイラをより愛おしく感じて、涙が零れた。

元子役のエルシー・フィッシャーの堅実な演技が光る秀作。

2021年3月11日木曜日

ハリー・ポッター 第1作~第4作

ロバート・パティンソンを初めて観た映画は『TENET テネット』。その洗練された雰囲気に魅了され、観覧後にその事をツイートしたところ、彼が『ハリー・ポッター』に出演していた事を私のフォロワーさんが教えてくれた。『ハリー・ポッター』と言えば、エマ・ワトソンも出演している。彼女を初めて観たのは『美女と野獣』。事前に、ワトソン好きの職場の若い同僚から彼女は世界的な美女だと聞いていたのだが、その観賞時は、そこまでの美人だとは感じられず、観賞後、その同僚にその事を正直に話したところ、気分を害した様子で「『ハリー・ポッター』も観てないくせに」と冷たく言い放たれた。そんな事を思い出して、それまで何となく敬遠していた、その人気シリーズを観る時が来たと感じ、一作目から順に観始めた。

まず、『ハリー・ポッターと賢者の石』、『秘密の部屋』、『アズカバンの囚人』をDVDにて観賞。優等生だと聞いていた、エマ・ワトソン演じるハーマイオニーのおっかなさが可笑しかった。ただ、幼いワトソンは、ファニング姉妹の幼い頃と比べると、それほど可愛いとは感じなかった。また、伝達手段であるフクロウや、ホグワーツ校の動く階段を観ながら、『鬼滅の刃』のカラス等を連想して、2作品は共通点が多いなと感じたりした。

そして、ロバート・パティンソンが出ている、シリーズ4作目の『炎のゴブレット』を観賞。出演していたパティンソンはまだ駆け出しの俳優という感じで、既に3作品で主演を張っていた年下のダニエル・ラドクリフに貫録負けしていた。だが、その後、彼は『トワイライト』シリーズにて破格の出演料を手にする俳優になっている。若くしてスターになったラドクリフと現在大人気のパティンソン。二人の対比が興味深かった。エマ・ワトソンはと言えば、幼さが無くなり、綺麗になっていた。特に劇中のパーティにおけるドレス姿は美しかった。デビューから彼女の成長を見守っている彼女のファンの、彼女への思い入れも理解出来たし、私の彼女を見る目も変わってきた。

『ハリー・ポッター』シリーズは、英国人作家、J・K・ローリングの同名小説が原作。主人公の少年ハリー・ポッターと彼の親友のロンとハーマイオニーの3人組が、悪と対峙しながら魔法使いとして成長する物語。男の魔法使いに違和感を覚える為、すごく好きな作品ではないが、ファンタジー映画としてはとても観応えがある娯楽大作だ。

2021年2月24日水曜日

TENET テネット

2020年9月に公開された話題作『TENET テネット』を、同年に2回劇場観覧した。

主人公の男が謎の男ニールと組んで、悪党から世界とある女性を救うために奮闘する物語。

タイムトラベル物は好きではないのだが、面白そうな予告編や評判から、本作は観ておくべきだと思い、まず、長年敬遠していた同じタイムトラベル物である『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパート1と2を予習も兼ねて観覧前にDVDにて観賞した。

1回目の観覧では、『BTTF』よりもはるかに複雑な時系列や「時間の逆行」の難解さに、早々に理解するのを放棄し、ひたすらその素晴らしい映像を楽しんだ。主演のジョン・デヴィッド・ワシントンを観るのは『ブラック・クランズマン』に続いて2回目。父親のデンゼル・ワシントンほどの華は無いが、その存在感に魅せられた。目を見張ったのは、初めて観るロバート・パティンソンの洗練された雰囲気と、同じく初めて観る金髪で長身のエリザベス・デビッキの美しさ。3人とも、演技も素晴らしかった。

2回目の観覧でも、その時系列を理解することは出来ず、その素晴らしい映像をただただ堪能した。そして、ベテラン俳優の2人、出番少な目のマイケル・ケインと悪役のケネス・ブラナーと、前述の3人の役者の演技を楽しんだ。特に、今回も、言いたいことを言えないもどかしさをおくびにも出さず、最後までクールに演じきったロバート・パティンソンの演技に魅せられた。

「時間の逆行」のシーンは、正直、積極的に理解する気はない。何度か観れば自然と理解出来るだろう。その過程を楽しもうと思う。『ブレード・ランナー』同様、長い付き合いになりそうな作品だ。

ラストが『カサブランカ』みたいだった。色んな要素が詰まった超娯楽大作。

2021年2月12日金曜日

ラ・ラ・ランド

2019年4月、キネマ旬報シアターにて、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』を初観覧。リアルでシリアスな物語と洗練された作りに感動した。ただ、その一週間後に観覧した、楽天的なミュージカル『グレイテスト・ショーマン』が楽しすぎて、そして、その楽曲が素晴らしすぎて、本作の感動は薄れてしまっていった。だが、ネット上で本作のタイトルを目にするたびに、いつかまたゆっくり観賞しようと思ってはいた。そして、2021年1月、満を持して、丸の内ピカデリーにて再観覧した。

ジャズ・ピアニストのセブと女優志望のミアが、惹かれ合いながら、励まし合いながら、それぞれの夢を追いかける物語。

その若い二人は、まず、交通渋滞の中で出会った。その時の印象は、お互いあまりよくなくて、その後の再会の時もそうだった。だが、その再会時、ミアは、セブのピアノ演奏には惹かれていた。そして、その後も、またあるパーティで再会。それから、二人の距離は徐々に縮まり、いつしか、恋人同士になり、お互いの夢を応援することとなった。

ミアを演じているのは、エマ・ストーン。ストーンってこんなにブスだったっけと感じる程、序盤のミアは魅力的ではないが、セブと仲良くなり恋仲になっていくにつれて、彼女はどんどん可愛らしくなっていく。恋をして綺麗になっていくミアには本当に魅せられた。セブ役のライアン・ゴズリングも好演していたが、ミアを演じたストーンの方が光って見えた。

一番印象に残ったのは、旧友のバンドに加わって、コンサートで何とも言えない笑みを浮かべながら演奏しているセブを、ミアが見つめるシーン。その二人に、自分に嘘をついていないか問われた気がして、2回目の観賞時は、涙が零れた。

2021年1月27日水曜日

バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作

2020年秋、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作をTVにて初観賞。タイムトラベル物はあまり好きではない為、ずっと観る気になれなかったのだが、同じくタイムトラベル物で、当時公開されたばかりの『TENET テネット』がとても面白そうで観覧したくもなり、同時に、タイムトラベルつながりで『BTTF』にもようやく興味が湧き、『テネット』の予習も兼ねて観ることにした。

高校生のマーティが、かなり年上で科学者でもある、彼の親友ドクが発明したタイムマシンに乗って、過去や未来に行くお話。マーティ役はマイケル・J・フォックスでドク役はクリストファー・ロイド。名コンビだ。

1作目の公開は1985年。舞台も1985年のアメリカで、マーティがタイムマシンで30年前の1955年に行ってしまい、そこで、まだ結婚前の若い彼の父や母ロレインに出会ってしまう。このロレイン役のリー・トンプソンがとても愛らしい。気になった場面は、マーティがステージでチャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」を演奏していた時、それを観ていたバンドメンバーがチャック・ベリーらしき人物に電話を通じてそれを聴かせていたシーン。今だったら、白人至上主義と騒がれることだろう。

2作目の公開は1989年。1985年から2015年にタイムトラベル。2015年以前に観るべきだった物語。ファックスと分厚いテレビに笑ってしまった。また、複雑すぎる時系列を理解するのを早々にあきらめてしまい、この調子ではその数日後に観覧するつもりだった『テネット』は絶対に理解できないだろうと思った。

3作目は1990年公開。前作の後半で戻った1955年から1855年にタイムトラベル。小柄なマーティが、マカロニウエスタンのスター俳優でもあった、長身のクリント・イーストウッドの名を騙っていた事に笑ってしまった。

3作ともマイケル・J・フォックスの魅力満載で、彼のファンではなかったが、彼の人気の秘密が分かった気がした。

2020年11月5日木曜日

ガタカ

2020年秋、『ガタカ』をDVDにて観賞。1997年公開のSF映画。イーサン・ホーク主演。

遺伝子操作によって生まれた「適正者」が社会のエリートとなる世の中で、自然妊娠で生まれた「不適正者」のヴィンセントが、宇宙飛行士になるという自分の夢実現のために奮闘する物語。

「適正者」である弟に複雑な気持ちを抱いている、「不適正者」の兄ヴィンセントをイーサン・ホークが熱演。そして、そんな彼の夢実現に手を貸す、身体障碍者で「適正者」のジェロームを演じるのがジュード・ロウ。最初は投げやりだったが徐々にヴィンセントへの協力を惜しまなくなるジェロームの心の動きを、クールに演じ切っている。ジェロームに比べると、ヴィンセントは少し落ち着きが無い。それは、彼が「不適正者」故だったのかもしれない。そんな2人の男のドラマに、ユマ・サーマン演じる、ミステリアスな「適正者」の美女アイリーンが花を添えている。

SF映画ではあるが、主眼が置かれているのは、主要人物たちが織り成す人間模様であるため、ドラマ映画とも言える。特に前述の3人の掛け合いは見応えがある。

人の人生は、ある程度は遺伝子で決まってしまう。だが、天才という人種はとかく天狗になりがちだ。そして、可能性を信じて努力を重ねる凡才の姿こそが人を感動させるし、そんな情熱を持った凡才たちが怠惰な天才たちを時に凌駕する。何人たりとも驕るべきではない。

2020年10月13日火曜日

ブックスマート

2020年9月、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』をMovix亀有にて観覧。2019年公開作。女優でもあるオリヴィア・ワイルドの初監督作品。

真面目に高校生活を送っていた二人の女の子、ビーニー・フェルドスタインとケイリトン・デヴァーがそれぞれ演じるモリーとエイミーが、卒業式前にハメを外すお話。

これまでに観た青春コメディの中で一番好きな作品。この手の映画は、通常、エル・ファニングのような典型的な美女を主演に据えるもの。しかし、本作にはキャリー・フィッシャーの娘でもある、ビリー・ロードという美人女優が出てはいるものの、彼女は脇役だし、主役の二人はと言えば、それぞれ魅力的だが、目を奪われるような美貌の持ち主ではない。そして、突出した存在の登場人物がいない分、物語そのものに集中でき、おまけに、脇役である他のクラスメートたちの事もそれぞれ丁寧に描かれているので、隅から隅まで楽しめる素晴らしい作品だ。

最も新鮮だったのは、レズについての描写。今回、初めてレズビアンの恋愛を観た。同性愛はゲイだけではない事を改めて認識でき、また、観覧後は街中で手を繋いで歩く女性たちが微笑ましく思えるようにもなった。

だが、この作品の最大の魅力は、何と言っても主役の2人のユニークさと面白さだろう。冒頭から変なダンスで登場した彼女たち。そんなノリが最後の最後まで続き、可愛らしくも、愉快で痛快なコンビだ。

2020年9月25日金曜日

死霊館

2020年8月の暑い夜、『死霊館』をTVにて初観賞。2013年公開作品。

ホラー映画は興味が無いのであまり観ない。2019年に、話題になっていたので、『イット THE END』と『ドクター・スリープ』を劇場観覧したが、2作とも同年に観たスリラー映画『グレタ』よりも怖くはなかった。過去に観たホラー映画で一番怖かったのは実話を基にしていた『エミリー・ローズ』。本作も実話とのことで視聴する気になった。

田舎の一軒家に引っ越してきた夫婦とその5人の娘からなるある一家が、恐ろしい体験をするお話。

途中まで怖かったが、徐々に、これは本当に実話なのか、という疑念が大きくなり、恐怖心が無くなった。

特筆すべきは、一家の母役の女優の演技。素晴らしかった。調べてみると、ジョン・キューザック主演の『セイ・エニシング』と『ハイフィデリティ』に出ていた個性的な顔立ちの若い女優が、年齢を重ねて割と綺麗な婦人へと変貌を遂げた姿だった。リリー・テイラー。キャシー・ベイツやキャリー・フィッシャーもそうだが、月日とともに魅力が増す女性は素敵だ。

2020年8月21日金曜日

ジョーズ

スティーヴン・スピルバーグ監督作の『ジョーズ』。1975年公開。初観賞は子どもの頃にTVにて。鮫狩りのクイントが黒板に爪を立てて不快な音を立てた時に周りの人間が不快な顔をするのを観て日本人同様アメリカ人にとってもそれが不快な音であるのを知った事と、人食いザメが恐ろしかった事しか記憶に無いまま、2019年8月、キネカ大森にて再観賞。中盤まで若干退屈だったが、終盤はかなり楽しめた。そして、2020年8月、TVにて3度目の観賞。

人喰いザメが出没する観光地の島で、人間たちがそのサメと対決するお話。

特に、終盤の、船に乗った3人の男たちと巨大鮫との壮絶な戦いのシーンが素晴らしい。まさに名作という名にふさわしい作品だ。

その3人の中で、警察署長のブロディが、船酔いで意外とヘタレだったり、つまらない事で八つ当たりするのが可笑しかった。普段から体裁ばかり気にするオッサンは、皆、イザという時は大体あんな感じだと思う。そして、他の二人のうちの一人、鮫に詳しい若い学者フーパーが、漁の経験が豊富なもう一人の乗組員の漁師クイントに憧れつつ反発する姿も若者らしくて微笑ましい。また、その漁師の豪快さも男の中の男という表現がぴったりくる。愉快な3人組だ。

正直、前半は退屈だ。だが、そこでは人間社会で必死に生きている当時の人たちの愚かさや醜さがしっかりと描かれている。そして、その様は、現在の人たちとあまり変わらない。観賞後、人間は精神的には簡単に進化しないんだろうな、と改めて暗澹たる気持ちになった。