2020年11月5日木曜日

ガタカ

2020年秋、『ガタカ』をDVDにて観賞。1997年公開のSF映画。イーサン・ホーク主演。

遺伝子操作によって生まれた「適正者」が社会のエリートとなる世の中で、自然妊娠で生まれた「不適正者」のヴィンセントが、宇宙飛行士になるという自分の夢実現のために奮闘する物語。

「適正者」である弟に複雑な気持ちを抱いている、「不適正者」の兄ヴィンセントをイーサン・ホークが熱演。そして、そんな彼の夢実現に手を貸す、身体障碍者で「適正者」のジェロームを演じるのがジュード・ロウ。最初は投げやりだったが徐々にヴィンセントへの協力を惜しまなくなるジェロームの心の動きを、クールに演じ切っている。ジェロームに比べると、ヴィンセントは少し落ち着きが無い。それは、彼が「不適正者」故だったのかもしれない。そんな2人の男のドラマに、ユマ・サーマン演じる、ミステリアスな「適正者」の美女アイリーンが花を添えている。

SF映画ではあるが、主眼が置かれているのは、主要人物たちが織り成す人間模様であるため、ドラマ映画とも言える。特に前述の3人の掛け合いは見応えがある。

人の人生は、ある程度は遺伝子で決まってしまう。だが、天才という人種はとかく天狗になりがちだ。そして、可能性を信じて努力を重ねる凡才の姿こそが人を感動させるし、そんな情熱を持った凡才たちが怠惰な天才たちを時に凌駕する。何人たりとも驕るべきではない。

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