2020年8月21日金曜日

ジョーズ

スティーヴン・スピルバーグ監督作の『ジョーズ』。1975年公開。初観賞は子どもの頃にTVにて。鮫狩りのクイントが黒板に爪を立てて不快な音を立てた時に周りの人間が不快な顔をするのを観て日本人同様アメリカ人にとってもそれが不快な音であるのを知った事と、人食いザメが恐ろしかった事しか記憶に無いまま、2019年8月、キネカ大森にて再観賞。中盤まで若干退屈だったが、終盤はかなり楽しめた。そして、2020年8月、TVにて3度目の観賞。

人喰いザメが出没する観光地の島で、人間たちがそのサメと対決するお話。

特に、終盤の、船に乗った3人の男たちと巨大鮫との壮絶な戦いのシーンが素晴らしい。まさに名作という名にふさわしい作品だ。

その3人の中で、警察署長のブロディが、船酔いで意外とヘタレだったり、つまらない事で八つ当たりするのが可笑しかった。普段から体裁ばかり気にするオッサンは、皆、イザという時は大体あんな感じだと思う。そして、他の二人のうちの一人、鮫に詳しい若い学者フーパーが、漁の経験が豊富なもう一人の乗組員の漁師クイントに憧れつつ反発する姿も若者らしくて微笑ましい。また、その漁師の豪快さも男の中の男という表現がぴったりくる。愉快な3人組だ。

正直、前半は退屈だ。だが、そこでは人間社会で必死に生きている当時の人たちの愚かさや醜さがしっかりと描かれている。そして、その様は、現在の人たちとあまり変わらない。観賞後、人間は精神的には簡単に進化しないんだろうな、と改めて暗澹たる気持ちになった。

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