2020年5月7日木曜日

マネー・ショート

2020年5月、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』をDVDにて初観賞。 
2015年公開。監督はアダム・マッケイ。主演はクリスチャン・ベール。原作は、ジャーナリスト、マイケル・ルイスが2010年に発表したノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』。 
アメリカのサブプライムローン危機を事前に察知し、逆に巨額の利益を得た男達の実話。 
金融システムの健全性と格付け会社のランクを信じ切った馬鹿な会社人間達の阿保面が、リアルに描かれている。どんなに景気が良い時でも常にアンテナを張って危機意識を持たねば、とは思うが、周りの人間全員が何の疑念も持っていなければ、どうしても流されてしまうもの。クリスチャン・ベール演じるマイケル・バーリやライアン・ゴズリング演じるジャレド・ベネットは、先見の明に加えて、肝が据わっていた。成功を収めるには、知能だけではなく気骨や胆力も備わっていなければいけないのだろう。 
1987年に公開されたオリバー・ストーン監督作の『ウォール街』では人の貪欲さが描かれていたが、本作では、欲に目が眩み危機を察知出来なかった男達と、時世を冷静に分析し時勢に流されずに自分を信じた男達の対比が描かれていて、実に面白かった。 
生きているとたまに思うことがある。世の中バカばっかりだ、と。でも実際には、世の中は、ほんの一握りの本当に頭が良くて強い信念を持った人達が、世界を欺いたり操ったり救ったりしているのだろう。観賞後にそんな事を思った。 

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