2022年3月27日日曜日

コーダ あいのうた

2022年2月、TOHOシネマズ 流山おおたかの森にて『コーダ あいのうた』を初観賞。2021年公開の青春映画。2014年公開のフランス映画『エール』のリメイク。

ろう者の家庭で生まれ育った末娘で健常者のルビーの青春が描かれている。

感涙した。近年では、『ボヘミアン・ラプソディ』、『グレイテスト・ショーマン』、および、『カセットテープ・ダイアリーズ』で感涙したが、それ以来の感涙だった。ルビーを演じたエミリア・ジョーンズの歌唱、特に手話を交えたそれは本当に感動的だった。

登場人物で身体障碍者が出てくるとなると、偽善っぽい物語になっているのではという懸念があって毎回観るのに二の足を踏むが、本作は日ごろから意見を参考にしている様々な方が絶賛していたので、大きなスクリーンで観るべき作品だと感じて映画館に足を運んだ。観賞前は、エル・ファニング主演の『ティーン・スピリット』のような展開を想像していたが、より現実的な物語だった。そして、正直、終盤前までの展開は予想を超える事はなかった。なんであんなに称賛されていたのかな、期待外れだったな、と思い始めた時、ルビーの合唱団の発表会が始まって私の好きなデヴィット・ボウイの「スターマン」を彼女たちが歌い出した。名曲は時を超えるなあ、と呑気に考えながら彼女たちが楽しそうに歌う姿と彼女を見つめる父親を眺めていた時、突然、涙がこぼれた。その瞬間、そんな自分に戸惑ったが、その後の怒涛の展開で涙が止まらなくなった。心が洗われた。

「スターマン」以外では、ザ・クラッシュの「アイ・フォウト・ザ・ロウ」が流れ出した時に楽しくなった。セックス・ピストルズは大好きだが、ザ・クラッシュやグリーン・デイはあまり好きにはなれなかったので、私はパンクロック・ファンではないと思っていたが、不意に耳にしたその曲はカッコよかった。好きになるきっかけなんてそんなものなんだろうな。

主演のエミリア・ジョーンズはそんなに綺麗だとは思わなかったが、とても魅力的だった。特に、彼女が演じたルビーが想いを寄せる男の子に対する態度は、本当にいじらしくて可愛らしかった。

本作は、2022年のアカデミー賞作品賞にノミネートされているらしい。本作か『パワー・オブ・ザ・ドック』が受賞してくれたら嬉しいな。

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