2022年2月2日水曜日

ドント・ルック・アップ

202112月、ヒューマントラスト有楽町にて『ドント・ルック・アップ』を初観賞。2021年公開のブラック・コメディ映画。錚々たる有名俳優たちが出演している。

地球に衝突する彗星を発見した大学教授と彼の教え子がその事をアメリカ政府や国民に知らせようと奮闘するお話。

アメリカ大統領とその息子で主席補佐官の人間性にあまりにもリアリティが無さ過ぎたので、これは気楽に観るべきコメディだなと早々に感じて、現在の社会を風刺している場面などを楽しんだが、レオナルド・ディカプリオ演じる大学教授とその家族や仲間たちのラストの描写がやけにリアルで、その時間も必要以上に長すぎると感じてしまい、その場面は全く笑えなかった。その描写がもう少しあっさり終わっていれば、観賞後に面白かったなと思えただろう。だから、その点が残念だった。そのラストの場面をリアルにするなら、大統領の人格ももう少しリアルにすべきだと思う。日本の総理大臣だったら、キングメーカーがより大きな影響力を持っている国でもあるし、世界への影響力はアメリカ大統領ほどでは無いので、多少軽薄な人間の設定でも問題は無いと思うが、アメリカの大統領は世界に影響を及ぼすわけだから、あんな浅はかな人間だったらそもそも議員にすらなれないはずだ。ブッシュさんやトランプさんの悪評も、多少はマスコミのネガティブ報道のせいだと思う。こんな風に感じてしまったのは、私が保守的な考え方を持っているせいかもしれないが。ニュースキャスターは、大衆受けしてテレビ局にとって都合の良いインテリに見える人間しかなれないわけだから、劇中のマヌケな二人で問題は無い。

メリル・ストリープは、設定された役柄の良し悪しはさておき、素晴らしい演技をしていたと思う。そして、若い頃はバリバリの美男俳優だったレオナルド・ディカプリオが、カッコいいとは言えないひげ面のオジサン大学教授を好演。後半にティモシー・シャラメも登場。出演俳優たちが豪華すぎないかとも感じたが、そう言えば若いハンサムな登場人物が出てないし、と納得。でも、俳優たちの出演料の総額は莫大だっただろうな。

この作品は概ね好評だ。私の感性は時代とズレている、と『最後の決闘裁判』に続いて感じてしまった。

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