還暦前の青島刑事の冒険。
青島俊作と愉快な仲間たちというスタンスが観易くて楽しかった。フジテレビのお祭り映画というノリの軽い作風には室井管理官は象徴くらいが丁度いいなとか思ったり、アクの強いキャラは青島刑事だけの方がシンプルで観易い、深津絵里さんは存在感がありすぎるし、若くて後輩感満載の趣里さんの方が合っているとか思ったりした。
にしても織田裕二さん肥えたなあ。
昔の青島刑事は事件が起きると目ぎらつかせて前傾姿勢で猪突猛進の全力疾走という印象。しかし、本作の青島には疾走感少な目で、上体が立っていて顎が上がっていたりもしていた。喜寿を越えたタカとユージもボヤいていたが、年齢を考えたら無理もない。駆け込み乗車を早い段階で諦める私よりは断然元気だが、若く見られたいという見栄や悪あがきがそれほど見られなくて好印象。人は皆老いるのだ。
織田裕二のモノマネ芸人山本高広さんも登場。本人との共演は、織田さんが彼の芸に否定的なコメントを出していたので、少し驚いた。これで和解かと思いながら2人の掛け合いを眺めていたが、しかし、織田さんは最後まで山本さんに気を許している風には見えなかった。あれは演技だったのか、本音だったのか、それとも、観客動員数を上げるためには何でもやろうと腹を括っていたのか。
今の若者の代弁者のような立ち位置の美浦刑事が、若い世代にはスジなんかどうでもいい、と言っていた。
なるほどねえ。でも、スジが通っていないと自身の考えを構築する際にブレるのではなかろうか。ま、そういう疑問が湧き上がってしまうのがオジサンなのだろう。しかし、その点は、理解は出来るけど分かり合えない。これはまさにジェネギャだ。
因みに、警察用語では、スジとは、具体的な証拠や情報の裏付けのことを言うらしい。一つ勉強になった。
汚職やら隠蔽やら冤罪やら警察組織の腐敗やらがマスコミの格好の餌食にもなっているので、そりゃ、警察の公式発表なんかよりネット情報を信じるよね、という問題提起もまた色々と考えさせられた。
何を信じればいいのだろう。恐らく一番信用できるのは、自分の経験を通して醸成された直観、そして、持ち前の野生の勘だろう。
近藤芳正さんの登場は、最近、TVドラマ版を観返していただけに、嬉しい驚きだった。
続編があるらしい。青島刑事は、私のような昭和、平成、そして、令和を通して出世することも無く現場であくせく働き抜いてきた人々には感情移入しやすいのではなかろうか。令和の寅さんになってほしいものだ。
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