2023年4月28日金曜日

バビロン

『バビロン』

ドラマ映画。2022年公開作。デイミアン・チャゼル監督作。主演はブラッド・ピットとマーゴット・ロビー。

無声映画からトーキーに変遷する映画界を生きた人々が描かれている。

2023年2月にMovix亀有にて初観賞。古すぎるので無声映画は記録映画に思えてしまう。チャップリンさんのサイレント映画を何作か観た際にはあまり好きにはなれなかった。その上、映画の撮影秘話や裏話にもあまり興味が無かったので、本作の初観賞時はあまり興味が湧かなかった。だが、スクリーンに映し出されたアップのマーゴット・ロビーの美しさには圧倒された。そして、本作終盤の映画館内の場面で上映されていたミュージカル映画『雨に唄えば』が印象に残った。数年前に1939年公開作のミュージカル映画『オズの魔法使い』を観た時は、古い映画の割には面白い、と感じただけだったので、同じく古いそのミュージカル作品への興味も薄れていたのだが、本作観賞後、その挿入歌「雨に唄えば」が頭から離れず、数日後、どうしても観たくなったのでDVDにて『雨に唄えば』を初観賞。面白かった。そして、映画がトーキーへ変遷する際の俳優たちの悲喜こもごもも描かれていてとても興味深かったため、本作をまた観たくなり、TOHOシネマズ 流山おおたかの森にて再観賞。

サイレント映画では大スターであったジャックとネリー。トーキーではセリフがなかなか上手く言えずに低迷するも、最期までスターであり続けた2人の生き様は決して褒められるものではなかったが、小便を漏らしながら命乞いをして何とか生き延びた男よりは粋だった。ブラッド・ピットが、煌びやかで貫禄のある大スターの座から哀愁を漂わせながら落ちぶれていくジャックを好演。そして、マーゴット・ロビーが、育ちがよくないせいで感情的な演技は得意だが、上品な振る舞いは苦手でトーキー映画では役を得ることが出来ない、それでも、平凡な幸せよりもスターとして生きる道を選び続けたネリーを熱演。デビュー前の乱痴気パーティでの野心家ぶり、はしゃぎぶりが妖しくて美しかった。金持ち連中とのパーティでのブチギレも痛快だ。

傑作とまでは思わないが、映画愛に満ちたなかなかの良作。

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