2021年8月15日日曜日

Mr. ノーバディ

2021年7月、Movix亀有にて『Mr. ノーバディ』を初観賞。2021年公開のアクション映画。

冴えない日々を送っているごく平凡に見えるオジサンが、ある事を機に悪者たちをやっつけ始めるお話。

アオラレ』みたいにサエないオッサンが人生に絶望してやけになってキレる展開かと思いきや、そうではなかった。主人公は、同じく見た目はサエないオッサンなのだが、その正体がハンパなかった。ただ、ハンパない割には、バスの中でのチンピラとの格闘で超人的な強さは発揮しない。その点は、逆にリアルで嫌いではないが。ボブ・オデンカークがそんなオッサンを好演。もしトム・クルーズやキアヌ・リーヴスのような精悍なハンサム俳優が演じていたら、よりカッコいいアクションに仕上がっていただろうが、渋いオデンカークの独特の雰囲気も悪くないと思う。

因みに、何となく気になって3人の年齢を調べてみたところ、オデンカークはクルーズと同い年でキアヌより2歳上。3人ともほぼ同世代だ。年齢を考えると、オデンカークは年相応だが、他のお2人の若々しさは驚異的だ。

観覧前は、世の疲れた中年男性にエールを送る物語だろうと予想していた。そして、前半は、オッサンをなめるな、とか、能ある鷹は爪を隠す、という事を表現しようとしているのかなと思いながら観ていたが、徐々にそうではないと気付きだした。主人公の強さは、体が衰えていることを骨身に沁みて実感している私には自己投影なんか出来っこないレベル。実際、オッサンになっても街の喧嘩慣れした若いチンピラのグループと大立ち回りができるなんて、若い頃に特殊な訓練を受けて過酷な任務を何年もこなしたか、恵まれた体格を有した上でその体を若い頃から鍛え続けていない限り、ただの幻想だ。

本作は、冴えない風貌のおじさんがあるきっかけで変貌してカッコよく悪者と闘う姿をただ楽しむアクション娯楽作。端から観方を間違えていた。次回はそういう映画として気楽に観ようと思う。

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