2023年10月6日金曜日

バービー

『バービー』

コメディ映画。114分。2023年公開。グレタ・ガーウィグ監督作。マーゴット・ロビー主演。

おもちゃの世界のバービーランドで楽しく生きていたバービーが、死について考え始めたのを機に現実世界に行って真実を悟るお話。

「女子供は黙ってろ」と怒鳴る父と、「男社会のこの国では女は損」とよく愚痴ったり嘆いたりしていた母の子供だったので性差別には割と敏感に育ってきた。そんな私には、母が敬愛していた田島陽子先生は、面白いけど何か従えないな、と思っていたが、ここ数年で観覧した『スキャンダル』や『プロミシング・ヤング・ウーマン』といった作品から、性差別もアメリカでは少しずつ変わり始めてきているのを感じ始めていた。そして、『レディ・バード』、『ストーリー・オブ・マイライフ』と本作を監督したグレタ・ガーウィグは、『ドント・ウォーリー・ダーリン』を監督したオリヴィア・ワイルド同様、女性解放問題について深く考えさせてくれる女性だ。本作は、ファンタジー物で色もピンク過ぎたので個人的には好みではないが、それでも、虚勢を張る男たちへの彼女の意見には共感した。

出演者に関しては、主演のマーゴット・ロビーが、前作の『バビロン』と同様に、本当に美しくて艶やかで演技もまた素晴らしかった。終始輝いていた。

公開前に耳にした原爆のきのこ雲は本編には現れず。観覧後に詳しく調べてみたらSNS上の話であった。反核の精神は忘れるべきではないが、あんな騒ぎで本作の観覧を止めるのはもったいない話だ。

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