2023年2月24日金曜日

ダブル・ジョバディー

『ダブル・ジョバディー』

サスペンス映画。1999年公開。105分。ブルース・ブレスフォード監督作。アシュレイ・ジャッド主演。トミー・リー・ジョーンズ出演。劇場観覧は無いが、テレビ画面で何度か観ている。

冤罪で刑務所に収監された女性が、仮出所後、保護観察官の監視下に置かれつつも、自分の息子を取り戻すべく奮闘するお話。

1997年に主演した『コレクター』では陰のある女性を演じていたアシュレイ・ジャッド。本作では、息子の為に肚を決めて孤軍奮闘する強い母親リビーを好演。アクションもこなすその姿が凛々しくて美しい。彼女の魅力が詰まった作品だ。

ジャッドは、シャーリーズ・セロンやキャメロン・ディアス、アンジェリーナ・ジョリー、そして、ジェニファー・ロペスにも引けを取らない演技力と美貌の持ち主にもかかわらず、彼女たちレベルの大スターにはなっていない。それは単純に運が無かっただけと思っていたが、先月と今月観覧した、ジャッドが本人役でカメオ出演している『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』でその理由の一つを知って腹が立った。部下の女性たちや仕事が欲しい女性の俳優に対して、長年に渡って性暴力を繰り返してきて、その犯罪をもみ消し続けてきた、超大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインの機嫌を損ねたジャッドは、映画の出演機会を失っていたらしい。そんな卑劣漢の性欲なんかの為に彼女の仕事が減ってしまっていた、だなんて本当に許せない。彼女以外にも、人生を無茶苦茶にされた犠牲者の方々も大勢いらっしゃるようだ。その下衆野郎を守ってきた女性も含めた彼の取り巻きたちは恥知らずで愚かだ。

トミー・リー・ジョーンズもまた保護観察官のトラヴィスを渋く好演している。公開時53歳。同じく53歳で『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネーション』の主演をこなしていたトム・クルーズと比べると明らかに年を取って見えるが、それはクルーズの若々しさが異常なだけ。劇中のジョーンズは、全力疾走したり泳いだりと元気いっぱいで、同年の一般男性よりははるかに力強いし断然カッコいい。

ジャッドとジョーンズの相性が抜群の、アクション映画の要素が強い、観応えのある良作。

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