2021年11月30日火曜日

MINAMATA-ミナマタ-

2021年9月、TOHOシネマズ流山おおたかの森にて『MINAMATA-ミナマタ-』を初観賞。2020年公開。アメリカ製作のドラマ映画。主演はジョニー・デップ。

熊本県水俣市の工場にて1932年から無処理で垂れ流された水銀によって周辺の住民が患った水銀中毒、通称、水俣病に関する実話とそれを現地で取材したアメリカ人写真家W・ユージン・スミスの晩年を描いた作品。

陰鬱な作品かと思いきや、ジョニー・デップ演じる人間臭い老写真家の生き様にも焦点を当てたその物語には、この手の作品にありがちな悲壮感がそれほど無く、当事者たちの人間ドラマへの過度な演出も無くてとても観易かった。そして、ジョニーデップの演技はいつものように素晴らしかった。

浅野忠信、真田広之、加瀬亮、そして、國村隼といった有名日本人俳優も出演。全員、デップに負けていない演技だった。そして、スミスと行動をともにして後に彼の妻となったアイリーンを美波が熱演。英語が堪能な素敵な俳優さんだ。

アメリカ製作の作品ながら当時の日本をリアルに再現していたので、ロケ地が外国だったことを知った時は驚いた。その上、日本を舞台にした過去の作品、『ブラック・レイン』や『ラスト・サムライ』よりもより良く日本を描写しているように感じた。

未だに続いている水俣病の悲劇。資本主義社会の醜い部分は万国共通。有意義で素敵な良作だ。

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